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このインタビューは、湘南メール [ http://syonan.to ] に掲載されています。 |
彩乃:私、中学校の頃から英人さんのファンなんです。英人さんの絵はとても印象的ですよね。このように仕事として絵を描く事になったキッカケは何だったのでしょうか?英人さん:初めから画家として目指していたのではなかったんだ。 はじめは広告の仕事をしていて、昔から絵を描くことは好きだったのでその合間をぬって描きたい物を描いていたんだ。そのうちに自分の絵を雑誌に持っていってみてもらう事があって。そしたらすぐ雑誌に載せてもらえる事になってね、なんだかんだしているうちに、注文がくるようになって今に至るという感じだね。毎日色々な所から電話がかかってきて、月に100枚ぐらい仕上げていったよ。 彩乃:すごい!!月に100枚というのは一人で仕上げるには無理な量ですよね。一体何人ぐらいでその数をこなしていったのですか? 英人さん:大体4人だったよ。それでも寝る時間がほとんどない状態だった。でも注文があることは大変有り難いことだけど、自分の好きなことができなくなってきたんだよね。振り返って考えてみると4年間ぐらいはずっと注文に振り回されていた。この時期は、CMなどもたくさんあったんだけど、自分の好きな事をやりたいと思って仕事の合間を縫って始めたのがリトグラフ。終いにはだんだんこれがメインになってきたんだよね。
彩乃:英人先生の作品には、リトグラフの他に同じ様な技法でシルクスクリーンというものを使っていますよね。シルクスクリーンの方が明るい感じがするという話を聞いたことがあるのですが・・・ 英人さん:そうですね。私はシルクスクリーンでは派手で現代的な感じに仕上げたい時に使いますし、シックな感じに仕上げたい時はこっちを主に使いますね。リトグラフの方は素朴で渋い感じがしますよ。 |
彩乃:どうしてこの様な切り絵に近いものを始めようと思ったのでしょうか?英人さん:何か人と違う物をかきたかったんだ。結果考えてたどり着いたのが線と面ということだったんだ。でも線と面というだけでは漫画と一緒になってしまう。それとは違うものをということを考えて、作品を描き続けたんだ。 彩乃:英人さんの作品にはアメリカを描いたものがとてもたくさんありますね。 英人さん:小さい頃の影響が大きいんだと思う。私は昔横須賀に住んでいたんだけど、そこでは外人、というよりもアメリカ人が生活の一部として存在する町なんだ。アメリカ人の生活は同じ日本に住んでいてもやはり進んでいるとわかるような感じだった。 より一層アメリカひいきにさせたのは当時放送されていたTVなんかがあるんだと思う。 彩乃:TVで何が放送されていたのですか?今みるTVではあまり日本もアメリカも変らないような気がするんですが、当時のTVではとてもアメリカンな感じがしていたんでしょうね。 英人さん:そうですね。同じ時代であるはずなのに、全く違いましたね。日本にはまだ冷蔵庫というものが普及していなかった頃、持っていたとしても電気で冷やすものではなくて、氷を冷蔵庫の中に入れて冷やすものが一般的だった当時、もうそのTVの中のアメリカでは大きな電気冷蔵庫を使っていたんだ!!冷蔵庫の中もギッシリ食料が詰まっていたしね。なんとも衝撃的な感じだったよ。彩乃:以前読まさせて頂いた英人さんの本の中で、アメリカらしいアメリカが好きだ!!という文を読んだことがあるのですが、アメリカらしいアメリカというのはいつの時代のことをさしているのですか? 英人さん:そうだね・・40〜50年代ぐらいかな。アメリカの40年代は誰しもが休みなく働いた時代なんだ。だからデザインに関してもたくさんの新しいものが生れ、そして作られてきた時代だった。50年代に入ると今度はそれが洗練されてきて、開花した時代なんだ。だから一番華やかな時代だったと私は思っているんだ。 椎名さんは”パパは何でも知っている”という映画を見たことはあるかい?その映画がまさに私のイメージするアメリカに近いかもしれないな。他にはペイトンプレイス物語かな。 |
彩乃:それにしても本当にとっても素敵なお家ですよね。私、外壁から感動してしてしまいました。玄関のドアもとっても素敵だし、この木の感じが何ともいえないです。この家にいるだけでアメリカに来たような気分になってしまいますよ!!
英人さん:そうだろうね。設計には私も加わっているのですが建築家や材料は全てアメリカから取り寄せているんだ。この柱や天井、全部アメリカから持ってきたものなんだよ。 彩乃:すごーい。確かにリビングが吹き抜けだったり、柱に細かい彫刻があったりと日本人にはない発想の家ですよね。私先程キッチンの方を拝見させて頂いたんですけど、キッチンこそ本当にアメリカを感じました!!キッチンの真ん中にぐるりとフライパンや鍋が天井からぶら下がっているなんてビックリしました。あんな素敵なキッチンはTVとか映画の中でしか存在しないものかと思ってました。英人先生はご自分で料理はなさるんですか? 英人さん:ええ、色々と作りますよ。作るのは結構好きなんです。食べるのも勿論好きだけどね。でも片づけるのが嫌いなんだよ。楽しく食事をした後はゆっくりしたいのに・・本当に片づけるのは億劫になってしまうよ。 彩乃:英人さんの絵の中には色々なものが描かれていますよね。英人さんの愛車であったり木漏れ日のまぶしい小道であったり。でも中にはただの看板だったりコカコーラの瓶であったりとかもするじゃないですか!!英人さんの手に掛かったものはどんなものも素敵になってしまうんですが、普通にそのものを見ただけでは絵の様な美しさを見出すことはできないと思うんです。どうしてあのようなものを描いてみようと思うのですか?言い方を変えると、どの様な観点から絵を描くものとして採用するのですか?英人さん:そうだね。いい!!と思ったものをかいているだけだからねぇ。私自身よく分からないな。でもやっぱり自分の好きなところとかに行くとやっぱり描く回数は増えるだろうね。私の心のふるさとであるカリフォルニアや大好きなニューイングランド、ケープコットなんかはよく描いているね。 |
彩乃:英人さんの息抜きというのは何をしているのですか?英人さん:私の場合、やりたい事が仕事として成り立っているからそんなに息抜きというものは必要ないよ。でももしあるとすればお酒の美味しいところを探す事が好きだな。 彩乃:先生なら素敵なお店を沢山知っていそうです!! 英人さん:湘南には沢山いいお店がありますよ。でも飲み過ぎには気を付けなくちゃ。お店出入り禁止になっちゃうからね。 彩乃:こちらは英人先生の仕事場ですよね。今もそうなんですが、どうして仕事場にTVをつけっぱなしでいるのですか?英人先生の絵はとっても細かい作業なので絵に支障をきたしてしまいそうですけど。 英人さん:逆にないとだめなんですよ。うーん、映像中毒とでも言うのかな。生活の中に映像がないと落ち着かないんだよ、。だから、奥の仕事場にもテレビが置いてあるしね。仕事中はずーとWOWWOWを着けっぱなしだよ。 |